FIREシミュレーターで必要資産を確認してみよう
FIREに必要な資産額は、 NISA、 iDeCo、 公的年金、 退職金、 住宅ローンの有無によって大きく変わります。
4%ルールだけでは判断できないため、 実際の条件で試算することをおすすめします。
📚 この記事の目次
FIREってなに?🔥
FIRE(ファイア)とは、 Financial Independence, Retire Early の略です。
日本語にすると 「経済的自立と早期リタイア」。
なんだか難しそうですが、 簡単に言うと、
という考え方です。
もちろん、 明日突然会社を辞めて 南の島でハンモック生活を始める、 という話ではありません。
FIREの本質は、 「働かないこと」ではなく、 「働くかどうかを自分で決められること」 にあります。
FIREの世界観🌈
朝。
メール通知。 Teams通知。 会議招集。 リマインド通知。
そして、 会議のための会議。
FIREを目指す人は、 ある日こう思います。
そこから資産形成が始まります。
NISAを始め、 iDeCoを始め、 支出を見直し、 コツコツ積立を継続。
そして数十年後。
月曜日の朝なのに、 特に憂鬱ではない。
そんな未来を目指すのが FIREです。
※実際には町内会や庭の草むしりが発生する場合があります。
FIREに向いている人✅
- 毎月コツコツ積立できる人
- 家計管理が嫌いではない人
- 長期投資を続けられる人
- 自由な時間を大切にしたい人
- 資産推移を見るとなぜか少し嬉しくなる人
FIRE界隈では、 「積立設定ボタンを押した人が最強」 と言われています。
特別な才能より、 継続力の方が重要です。
FIREに向かない人❌
- 収入が増えた分だけ使ってしまう人
- 資産の値下がりに耐えられない人
- コツコツ貯めるのが苦手な人
- 将来の計画を立てるのが嫌いな人
- 仕事以外にやりたいことが全くない人
実は最後が意外と大事です。
FIREはゴールではなく、 新しい人生のスタートです。
仕事を辞めた後、
となるケースもあります。
FIREにも種類がある🔥
FIREというと、 「仕事を完全に辞めて悠々自適」 を想像する人が多いですが、 実はFIREには様々な流派があります。
💰 Fat FIRE(ファットFIRE)
FIRE界のラスボス。
十分すぎる資産を築き、 FIRE後も生活レベルをほとんど下げないスタイルです。
- 旅行も行きたい
- 外食もしたい
- 趣味にもお金を使いたい
- 老後もゆとりが欲しい
という人向きです。
難点は、 必要資産が非常に大きくなることです。
FIRE後の生活は優雅ですが、 FIRE前はかなり長距離走になります。
🍱 Lean FIRE(リーンFIRE)
節約力で戦うタイプです。
- 固定費を下げる
- ミニマリスト志向
- 高級車より自由時間が欲しい
- 物欲が少ない
という人向きです。
必要資産は少なくなりますが、 インフレや予想外の支出に弱い傾向があります。
FIRE後に 「今日はもやしが主菜です」 が続くと精神的に厳しくなるかもしれません。
☕ Barista FIRE(バリスタFIRE)
完全リタイアを目指さず、 少しだけ働くスタイルです。
- 週2~3日だけ働きたい
- 社会とのつながりは欲しい
- 完全無職は不安
- 趣味感覚で仕事を続けたい
という人向きです。
FIRE界ではかなり現実的な選択肢です。
「生活費の一部だけ働いて稼ぐ」 ため、 必要資産を大幅に下げられるメリットがあります。
🌱 Coast FIRE(コーストFIRE)
FIRE界の隠れ人気スタイルです。
若いうちに十分な投資資産を作った後は、 積立をやめて資産の成長に任せます。
- 高収入期に一気に貯めたい
- 40代以降はゆるく働きたい
- ストレスの少ない仕事へ移りたい
という人向きです。
将来の自分に投資運用を任せる戦略とも言えます。
30歳の自分が、 60歳の自分へ仕送りするようなイメージです。
🤔 結局どれがおすすめ?
多くの人にとって現実的なのは、 Barista FIREかCoast FIREです。
完全リタイアよりも 「嫌な仕事は断れる」 レベルを目指した方が、 達成難易度が大きく下がります。
FIREの本質は、 仕事を辞めることではなく、 人生の選択権を手に入れることです。
FIREに必要な資産はいくら?💰
FIRE界隈で最も有名な考え方が 「4%ルール」 です。
ただし、 実は多くの人が少し誤解しています。
📚 4%ルールの起源
4%ルールは、 米国のファイナンシャルプランナー William P. Bengen 氏が、 1994年に Journal of Financial Planning で発表した研究から始まりました。
その後、 1998年に Trinity Universityの研究者 Philip L. Cooley、 Carl M. Hubbard、 Daniel T. Walz の3名が実施した 「Trinity Study」 により広く知られるようになりました。
🧪 研究では何を検証したの?
研究者たちは、 過去の米国株式・債券データを利用して、
を検証しました。
その結果、 初年度に資産の約4%を取り崩し、 その後は物価上昇に合わせて取り崩し額を調整した場合、 過去データでは米国株式と債券を組み合わせた一定のポートフォリオにおいて高い確率で30年間資産が枯渇しなかったことが示されました。
📈 具体例で考えてみる
資産が6,000万円ある人を考えます。
6,000万円 × 4% = 240万円
月額にすると、 約20万円です。
つまり、
という考え方です。
🧮 なぜ25倍なの?
FIRE界では 「年間支出の25倍」 という表現もよく使われます。
これは単純に、
1 ÷ 4% = 25
だからです。
| 毎月生活費 | 年間生活費 | 4%ルール上の目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 240万円 | 約6,000万円 |
| 25万円 | 300万円 | 約7,500万円 |
| 30万円 | 360万円 | 約9,000万円 |
| 40万円 | 480万円 | 約1.2億円 |
⚠️ 4%ルールの限界
ここが超重要です。
FIRE界隈では有名ですが、 4%ルールは 「将来を保証する法則」 ではありません。
- 米国市場の過去データを使っている
- 税金や手数料を考慮していない
- 30年程度の退職期間が前提
- FIRE後50年以上生きるケースは別問題
- 将来の市場環境は過去と異なる可能性がある
そのため近年では、
という考え方も広く使われています。
🔥 だからシミュレーターが必要
実際には、 年金、 iDeCo、 退職金、 NISA、 住宅ローン、 FIRE後の副収入などによって、 必要資産は人によって大きく異なります。
同じ「6,000万円」でも、 安全な人もいれば危険な人もいます。
だからこそ、 自分専用の条件で将来を試算することが重要です。
📖 参考文献・参考研究
-
William P. Bengen (1994)
Determining Withdrawal Rates Using Historical Data
Journal of Financial Planning -
Philip L. Cooley, Carl M. Hubbard, Daniel T. Walz (1998)
Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable
通称:Trinity Study
FIRE後の輝かしい未来✨
- 同年代の人が必至に働いている平日の昼に、こじゃれたカフェでワインを飲みながらのんびり過ごせます
- 働きたい人は好きな仕事につけます。資産は確保済なので、ストレスがかかる仕事とわかったら即やめることができます
- 満員電車が他人事になります
- 涼しい季節を選んで混雑のない状態で旅行を存分に楽しめます
- 好きなことに健康である間すべての時間を割けます(家族との時間を増やす、趣味に没頭する、学びなおしをする)
人生の悩みがゼロになるわけではありません。
FIREの本質は、 早期リタイアではありません。人生の選択肢を増やし、 「人生を自分で選ぶ権利の獲得」「やりたくないことを断れる自由」を手に入れることです。
FIREのリスク⚠️
- インフレによる生活費上昇
- 想定外の医療費や介護費用
- 投資市場の下落
- 長寿化による資産不足
- 暇になりすぎるリスク
特に最後は見落とされがちです。
趣味を持たないままFIREすると、 目的を見失い、生活の満足度が下がる場合があります